塗装のリアリティを追求できる
焼付対応の3Dモデル
開発ストーリー
自社で金型を製造してプレスした
カーベックのオリジナル製品です。
カーベックのオリジナル製品です。
調色やカラーサンプルを試し塗りする塗り板は平板が当たり前ですが、エンジンやホイールなど実際の部品は大半が立体物です。自動車のボディのような凹凸が再現されたディスプレイモデルは、光の当たる部分と影の部分で異なる色の見え方がリアルに分かるのが特長です。
焼付可能なスチール素材なので、塗装と剥離を何度でも繰り返せるのも魅力です。
自動車補修用ウレタン塗料や、家の外壁を塗る水性塗料と同様に、私たちが販売しているガンコートや粉体塗装にも色見本、カラーサンプルが存在します。ユーザーの皆さんはそのサンプルから仕上がりをイメージしていると思います。誰もがイメージしやすいブラックやホワイトなどの基本色はともかく、シルバーやゴールド、ネオンやキャンディなどの個性的な色については百聞は一見にしかず、塗装された現物を見るのが手っ取り早いものです。「塗り板」と呼ばれるカラーサンプルは平板(ひらいた)が多く、これは家の外壁のように平らで広い面積をイメージさせるのには適していますが、私たちが扱う塗料は凹凸や曲面など立体的な面を塗ることがほとんどです。
そこで私たちは、立体的なディスプレイモデルを発案しました。実際のところ、同じような発想で作られた製品は存在しましたが、せいぜいウレタン塗料の焼付温度に耐えることを前提としていたため樹脂素材で成型されたものでした。しかしカーベックが作るならガンコートや粉体塗装、結晶塗装の焼付が可能でなければ意味がありません。そこで亜鉛鋼板を素材として、プレス用金型を用意して独自製造を行っています。今のところ、追随するメーカーは存在しないようなので、このスチール製ディスプレイはカーベックだけが販売するオンリーワン商品となっています。
立体物で色見本を作ることで、凸面と凹面によって生じる光の当たり方の変化、それが実際の見え方に与える影響をよりリアルに把握できます。特に陰影の影響が出やすいゴールドやキャンディカラーは、ペイント後のイメージが掴みやすいと好評をいただいています。ガンコートの場合、私たちが販売しているカラーサンプルはアルミ板に塗装して焼き付けたものです。その中からイメージに近い色を見つけたら、ディスプレイモデルに塗装して実際の塗装条件に近い状態で確認していただくのが理想です。
余談ですが、粉体塗装の場合はアルミパイプに塗装したものをカラーサンプルとして販売しています。これはフレームパイプやホイールのスポークなど、静電ガンの裏側になる部分にもパウダーがきれいに回り込んで塗着そするパウダーの特性を的確にアピールするためです。
話を3Dディスプレイモデルに戻すと、スチール素材としたことで粉体塗装や結晶塗装なら超強力塗装剥離剤に漬け込み、ガンコートならサンドブラストで剥離することで、何度でもカラーサンプルとして再使用できるのも大きな特徴です。個性的な塗装でアピールするカスタムペインターさんほど何度もテスト&トライを繰り返すものですが、そのたびに塗り板を使い捨てするのはとてももったいない。イメージと違ったら剥離してやり直せるのですから、納得いくまでチャレンジできます。その上で満足できるサンプルをショールームに置けば、お客さんへの効果的な宣伝にもなります。
平板が立体的になることで見え方がこれほど変わるのかと、多くのペインターさんが実感しているスチール製ディスプレイモデル。焼付塗装でカスタムペイントを行う際には、ぜひ活用していただきたい製品です。