プレミアムDRYパール

「パウダーコートは工業系でしょ……」
そんな思い込みを覆す、粉体塗料に混ぜて焼付乾燥できる画期的なドライパール

大量生産の工業系塗料であるパウダーコートは粉体という特性上、調色の自由度が少なく塗料メーカーが設定した色を塗るしかありませんでした。そんな固定観念に縛られず、パウダーでもカスタムペイントを楽しめるように製品化したのが、600℃の高温に耐えられる粉末状のパール添加剤です。これがあればパウダーでオリジナリティが追求できます。

開発ストーリー

独自の調色でオシャレできない
パウダーの弱点を解決したい



メタリックやキャンディ、リンクル(ちぢれ模様)や蛍光色など、私たちが提供する80種類の粉体塗料によって「パウダーコートは地味な工業系でしょ」という印象はずいぶん払拭できたと自負しています。しかし残念ながら「パウダーコートは調色できないんでしょ」というカスタムペインターの声にお応えすることはできません。ラッカーやウレタンなどの溶剤塗料は、樹脂や溶剤の種類が同じなら調色が可能です。自動車補修用の塗料などは、何種類かの基本色を混ぜることで、ユーザー自身が色を作ることが前提となっています。そしてこの調色を応用することで、カスタムペインターは自分だけのオリジナルカラーを生み出すことができるのです。
一方粉体塗料は、調色して完成した色を一度固めてから粉砕して微粒化して製品にしています。溶剤塗料で赤と青を混ぜると紫になりますが、赤の粉体塗料と青の粉体塗料を混ぜても溶剤のようには分散しないため、発色が均一になりません。「ドライブレンディング」と呼ばれる粉体同士の混合では、顔料によって静電気の受け方、帯電のしやすさが異なるため、どちらか一方の色が多めに塗着したり少なかったりと扱いが難しいのです。 唯一の例外として、粉体キャンディ同士はきれいに混ざりますが、赤や青が「顔料」で発色するのに対して、キャンディは「染料」で発色するというメカニズムの違いによるものです。
「調色できない」という特性は、実はガンコートにも当てはまります。ガンコートは溶剤塗料なので、二色を合わせれば均一に混ざります。しかし混合したガンコートは明るい色同士でも常に濁る傾向にあり、鮮やかな仕上がりにはならないのです。これもガンコートの仕様であって、私たちが対処できる問題ではありません。
工業生産技術をダウンサイズするコンセプトを掲げる私たちにとって、パウダーコートもガンコートも塗料の性能では負けていないにもかかわらず、カスタムペイントに対応できないことに歯がゆい思いをしていたのです。


高級塗料の代名詞
パールをパウダーで実現



カスタムペイントを行う方は、皆さん「自分だけ」「自分が見つけた」というオリジナリティが好きで、独自性を追求しています。私たちが販売している製品を、私たち自身が思いつかない組み合わせやアレンジで展開する姿勢には常に驚かされます。そうしたユーザーの期待に応えるために、2016年頃に見つけたのが「粉末状のパール」でした。粉末状のパールはエンドユーザー向けとしては画期的な製品ですが、その前にパール塗装について少しだけ説明しておきましょう。
1980年代の高級車で本格採用が始まったパール塗装は、ソリッド、メタリックと並ぶ代表的な塗装です。ベース色にフレークを分散させるメタリック塗装に対して、パール塗装はソリッドのベース色の上にパール顔料を混ぜたパールコートを重ねます。メタリックもパールもトップコートとしてクリア塗装を行うため、メタリックは2コート、パール塗装は3コートとも呼ばれています。パール顔料は鱗状の不定形な雲母(天然と人工があります)の表面を酸化チタンや酸化鉄でコーティングしたもので、光をランダムに吸収、錯乱させるため発色は複雑。メカニズムとしては、ベースコートの上でクリアに混ざったパールの光沢が発色するイメージで、見る角度によって輝きが変化する高級感が魅力です。
既存のパール顔料はアクリルラッカーやウレタン、2Kなどの溶剤系塗料に添加するリキッドタイプが常識で、パウダーに混ぜることはできません。 そこで私たちは、塗料メーカーや樹脂メーカーに材料を供給している元までさかのぼり、溶媒に混ぜる前の粉末状態でパールの供給を受けることにしたのです。しかし、粉末のパールならどれでも良いわけではありません。リキッドタイプのパール顔料の中には、ウレタンの焼付温度をクリアすれば良いため樹脂成分の人口パールを使用している製品もありますが、私たちはパウダーコートのオシャレ度を向上させるのが目的ですから、180℃の焼付温度に耐えられなくてはなりません。また静電ガンで塗装するため、静電気の影響を受けない非導電性であることも必要です。こうした条件をクリアして選定された13色の粉末パールは、自動車補修用としてはかつてないハイスペックな製品となりました。
「プレミアムDRYパール」と命名したパールは、下地にパウダーのソリッド色を塗った上から、パウダー塗料のクリアに混ぜて2コートで塗装します。パウダーのクリアに対して重量比で1%、耳かき一すくいほど添加するだけでパールの効果が現れ、パウダー自体にゴールドやバイオレット、カッパーなど固有の色があるので、ソリッドのベース色の上で高級で複雑な発色をします。
黒、赤、オレンジ、イエローなどソリッドだけでなく、メタリックやゴールド、キャンディや蛍光色をベースにしたパールも、今までにない表現を可能にします。基本添加量は1%ですが、増減させればパールの効き具合が変化しますし、粉末同士をミックスすることも可能なのでパールカラーバリエーションは無限に増殖します。少しずつ色味を変えたパールを何千色も用意することは簡単ですが、ユーザーが自分の好みのいろを作ることができる方が、さらに使い勝手は良いはずです。そしてこれによって、パウダーコートユーザーの願望だった「パウダーでカスタムペイント」が実現するのです。

パウダーはもちろん
ガンコートにもウレタンにも使えます


私たちがプレミアムDRYパールを開発した最大の目的は、カスタムによってパウダーコートの表現の幅を広げることでした。塗装としては強くて優秀だけど、調色ができずカスタムには不向きという決めつけを払拭して、スペシャルペイントでオリジナリティとステータスの高さを追求していただきたい。小回りの利くコンパクトな静電ガンや、カラフルな塗料でパウダーコートをもっと普及させたいと環境作りを行ってきた私たちだからこそ「パウダーコートでカスタム」を実現するプレミアムDRYパールには絶大な自信があります。
これまでのパウダー塗料のラインナップにもクリアーメタリックが存在しましたが、このフレークはゴールド系の1パターンでした。しかしカスタムペインターの中には、シルバー系や赤みがかったフレークが好みの方もいるのです。お仕着せではない、自分だけの色を求めるのがカスタムの醍醐味であり、工業系ではなくカスタム中心でパウダーを売るなら、オリジナリティをアピールできる土壌を作っておくことが必要と考えました。強固な下地はパウダーで作り、オシャレさを求める上塗りはウレタンで仕上げるという我慢ならない使い分けも、これからは不要なのです。
パウダーで使えるのに加えて溶剤に対する分散性が良好なので、ガンコートのスーパークリアに混合することも可能で、耐熱温度は600℃ですから焼付乾燥でも全く平気です。さらに一般的なリキッドタイプのパール顔料と同様に、ウレタン塗料にも添加できます。

私たち自身が常にユーザーと同じ目線に立ってニーズをリサーチして、リクエストを叶えられる製品を開発して市場に供給する。プレミアムDRYパールは商社でありメーカーでもあるカーベックだからこそ実現できた製品なのです。

 

カラーバリエーション

使用方法

基本的には、トップコートのクリアーに混ぜて使用します。
下の施工例は、粉体塗料『ブラック 01(HD ブラック)』の上に、ドライパールを混合した粉体塗料『スーパークリアー』を施工した一例です。
この施工例では、粉体塗料『スーパークリアー』に対し、1%のドライパールを混合しています。
1コート目の粉体塗料『ブラック 01(HD ブラック)』にこのドライパールを混合しても、ブラックに埋もれてしまい下の画像のような発色にはなりませんので、トップコートのクリアーに混合して使用するのが基本です。
 
ベースコートのカラーやドライパールの配合分量によって表現の仕方は無限大ですので、オリジナルカラーの作成が可能です。

施工例

ベースコート:粉体塗料『ブラック 01(HD ブラック)』
トップコート:粉体塗料『スーパークリアー(各色ドライパール1%混合)』

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